元2020 4月 トルコ
中枢神経系と免疫系の間には微妙な恒常性バランスが存在する。
脳卒中が起きると、神経グリア組織への免疫反応を抑制する状態が誘発される。
しかし、この保護反応により感染症が発生しやすくなる。
そこで、脳卒中後の健常側の脳半球の体積を評価し、炎症性の反応との関係を明らかにしてみたそうな。
脳梗塞患者50人の入院時およびフォローアップMRIで梗塞とは反対側の脳半球の体積を測定した。
臨床的特徴、感染性合併症、および炎症のマーカー(赤血球沈降速度、好中球/リンパ球比、C反応性蛋白)に関する情報を収集し、脳半球体積変化との関連を解析した。
次のことがわかった。
・反対側(健常側)の脳半球体積は、101日前後のフォロー期間後、およそ14mL減少した。
・この体積減少は、1ヵ月あたり0.8%の減少に相当した。
・脳卒中重症度(NIHSSスコアまたは梗塞容積)と炎症関連パラメータ(好中球/リンパ球比または全身性感染症)が体積減少とあきらかな正の相関を示した。
脳卒中後の脳組織の変化は損傷脳半球に限定されない。
脳卒中の重症度とは別に、炎症性の状態と脳卒中後の感染症が健常側脳半球の体積減少に影響していた、
というおはなし。
感想:
なにかというと脳が減る↓から、脳に頼らない生活を心がけるとよいかも。