元2020 6月 カナダ
未破裂の脳動静脈奇形(AVM)への侵襲的治療の効果を検証するためのランダム化比較試験であるARUBA(A Randomized trial of Unruptured Brain Arteriovenous malformations)トライアルの最終結果がでたそうな。
ARUBAは9カ国39の医療センターが参加した臨床試験で、
未破裂AVMに対する内科的治療のみの場合と、
それに加えて侵襲的治療(切除、塞栓、定位放射線)を組み合わせた場合での死亡および脳卒中の発生頻度を比較した。
2007-2013に行われ、2015までフォローされた。
次のようになった。
・1740人をスクリーニングした結果、226人にAVMがみつかり、かれらを内科治療のみ110人と侵襲治療の116人のグループにわけた。・50.4ヶ月のフォロー中に起きた死亡または脳卒中の頻度は、年間100人あたり 3.39 vs. 12.32 で内科治療のみグループが低かった。・内科治療のみグループは2人が死亡し、侵襲治療グループは4人が死亡していた。・有害事象の頻度も、年間100人あたり 58.97 vs. 78.73 で内科治療のみグループが低かった。
大規模なランダム化比較試験の結果、未破裂の脳動静脈奇形は内科的治療のみのほうが侵襲的治療を組み合わせた場合よりも死亡と脳卒中予防の点であきらかにすぐれていた。標準治療を見直さなければならない、
というおはなし。
感想:
AVMはそっとしておけってこと。
未破裂脳動脈瘤についてもはやくこういう試験をやってもらいたいものだ。おどろきの結果まちがいなしだから。
