元2020 7月 スウェーデン
脳内出血は経口抗凝固薬(OAC)治療のもっとも深刻な副作用の結果でもある。
しかしOACの使用が脳内出血の転帰に及ぼす影響はあきらかになっていない。
ガイドラインではOACによる効果を反転させる治療(reversal therapy:ビタミンKとプロトロンビン複合体4種を与えるなど)がエビデンスが弱いながらも推奨されている。
そこでOACによる脳内出血患者について、OAC反転治療の有無と90日生存率との関連をくわしくしらべてみたそうな。
2017年スウェーデンの脳卒中登録のうち、OACによる脳内出血572例について90日後の死亡率をくらべたところ、
次のことがわかった。
・65%の患者が反転治療を受けていた。彼らは若く、入院まえの生活自立度は高かった。・入院時意識レベルで調整後、反転治療をしなかった患者は死亡リスクが1.47倍だった。・死亡率を上げる他の要因として、男性、高齢、脳室内出血、があげられた。
抗凝固薬による脳内出血のうち、35%の患者は反転治療を受けていなかった。反転治療により90日後の死亡率は改善された、
というおはなし。
感想:
脳内出血のだいたい半数は血液サラサラ薬の使用者で起きている。
脳梗塞を防ごうとして脳内出血になる、ってこと。
「血液サラサラ」の表現でリスクから目を逸らそうとするお医者さんには要注意。