元202０ 10月 フィンランド
これまでの研究では、日常的に音楽を聴くことが脳卒中の回復を助けることが示唆されているが、この効果を促進する刺激および神経のメカニズムについてはほとんど知られていない。
いっぽう 声楽（vocal music）には脳内の広範な両側ネットワークに関与しているという神経画像学的証拠がある。
そこで、声楽が脳卒中後の認知 言語回復や神経可塑性の向上に、器楽（instrumental music）やスピーチよりも効果的であるかどうかを確かめるべく 実験してみたそうな。
脳卒中患者83人について、
最初の3ヶ月間に好みの、声楽または 器楽、オーディオブックを毎日聴かせた。
3ヶ月、6ヶ月後の言語記憶や注意力、気分、およびMRIによる脳構造、機能の評価をおこなった。
次のことがわかった。
・声楽を聴くと器楽やオーディオブックよりも言語記憶の回復が促進された。・とくに失語症患者ではオーディオブックよりも言語回復がおおきかった。・MRIの結果から、声楽を聴くことで左側頭域の灰白質体積が増加し、・デフォルトモードネットワークの機能的接続性が増加することが示された。
声楽を聴くことは脳卒中後の認知回復と失語症の初期言語回復を促すための効果的かつ簡易な方法である。声楽のリハビリ効果は感情処理、言語、記憶に重要な側頭頭頂ネットワークの構造的 機能的可塑性変化によってもたらされる、
というおはなし。
感想：
Youtubeのニュースや解説動画を2倍速以上で見るようになって久しい。
すごく集中力があがって、観終わったあとに妙な達成感がある。
この実験のオーディオブックも、倍速にすると結果がちがうんじゃないかな。