元2020 11月 スウェーデン
疲労(fatigue)は脳卒中経験者の間で一般的であり、重大な悪影響を及ぼす。
しかし脳卒中後の疲労と認知 生理学的パラメータとの関連について、長期的な傾向はよくわかっていないのでくわしくしらべてみたそうな。
18-65歳で脳卒中になり地域社会で生活している38人を10年間フォローした。
発症後、1週間、7ヶ月、10年の疲労度(fatigue assessment scale)および認知機能を評価し、関連を解析したところ、
次のことがわかった。
・10年後、半数以上が疲労に悩んでいた。・ほとんどの参加者は日常生活において自立していた。・疲労度スコアが高いことと、日常生活の自立度の高さ、BMIの高さ、不安感、10年後の認知機能スコアの高さ、作業記憶の良さ、および7ヶ月後と10年後の視空間機能の良さ、と有意な関連があった。・これらのうち、7ヶ月後の視空間機能のみが10年後の疲労の有意な予測因子であった。これは WAIS Block Design スコアによく反映されていた。
脳卒中後の疲労を10年後までフォローした結果、疲労度の高い者ほど認知評価および日常生活動作で良好な成績を示していた。とくに亜急性期の視空間機能は後期の疲労を独立して予測する因子だった、
というおはなし。
感想:
こういう結論ははじめてみた。おもしろい。
WAIS Block Design(←動画リンク)は知能テストの一種。これがよくできた患者ほど、疲労が長く続くってこと。
一見大丈夫そうな患者が疲労になやむ。なおさらその辛さは他人に理解されない。