元2021 1月 中国
無気力症(アパシー)は認知機能障害の患者におおくみられる症状である。
アパシーは軽度認知障害(MCI)がアルツハイマー型認知症へ転換する予測因子であることがあきらかになっている。
しかし血管性のMCI、特に脳卒中後のMCIでは、アパシーと認知症への転換との関連はまだ確認されていない。
そこで、脳卒中後MCIの患者について、アパシーの有無が6ヶ月後の認知症転換リスクと関連するかどうかをくわしくしらべてみたそうな。
中国7つの省にある14の診療所での、
脳卒中後2週から6ヶ月でMCIの患者989人を対象とした。
アパシーはGeriatric Depression Scaleで評価した。
被験者をアパシー群128人と非アパシー群861人分けた。
6ヶ月後の認知症診断との関連を解析した。
次のことがわかった。
・脳卒中後MCIのアパシー率は12.9%だった。・6ヶ月後に脳卒中後MCIの5.2%が認知症に転換していた。・アパシー群の認知症転換率は、17.2% vs.3.4% であきらかに高かった。・バイアス除去のため、非アパシー群からアパシー群とリスク条件のマッチした128人に限定した場合でも、認知症転換率は 17.2% vs. 6.3% であり有意に高かった。・脳卒中後アパシーがあるとMCIから認知症への転換リスクが2.75倍だった。
脳卒中後の軽度認知機能障害の患者では、無気力症状がある場合に認知症に転換するリスクがとても高くなる、
というおはなし。
感想:
やる気が起きない問題はホント興味深い。
じぶんは脳卒中まえから興味のないことは会社の仕事ですらやらないタイプだったのに、それがもっとひどくなったって感じ。
