元2021 3月 中国
脳卒中患者のほとんどが眼球運動になんらかの障害を抱えるという。
また、認知機能の1つである実行機能に障害を持つ者も8割近くにおよぶ。
眼球を正常位置に保持できない 適切に動かせない、などの問題がおきると、
手と眼球との協調動作が困難になり、
読んだり手を動かしたりが億劫になる、
さらに視覚記憶や立案 決定能力が低下して、
実行機能に障害があらわれる、と考えられる。
そこで、眼球運動トレーニングによって脳卒中患者の実行機能障害が改善するものか、実験してみたそうな。
脳卒中患者64人を、
通常リハビリ群と眼球運動トレーニング群に分け、6週間の介入と4週間のフォローをおこなった。
眼球運動トレーニングは、コンピュータスクリーン上の動く目標物を目で追うタイプの課題を20分間ほどおこなう。
実行機能障害は、BADS(Behavioral Assessment of the Dysexecutive Syndrome)スコアで評価した。
そのほかに、モントリオール認知機能評価(MoCA),ウィスコンシン・カード並べ替えテスト(WCST),修正Barthel Index(MBI)のスコアを評価した。
次のようになった。
・介入直後、BADSとWCSTスコアは有意に改善したが、その効果は続かなかった。・介入直後、MoCAとMBIスコアは有意に高く、反応時間も有意に短かった。・しかし4週間のフォロー後、MBIスコアは依然高かったが、MoCAスコアと反応時間は通常リハビリ群と差はなかった。
眼球運動トレーニングにより脳卒中患者の実行機能を改善できたが、効果は長く続かなかった、
というおはなし。
眼球運動トレーニングマシン
感想:
脳内出血直後から視力が激しく低下して、しかも物事をなかなかやる気にならない状態がもう10年以上も続いているので関心をもった。
じぶんはいつも、記事にする論文をながめながら目についた単語を紙に鉛筆でひとつふたつ、、と書き出していると、なぜか脳のエンジンがかかってくる。
