元2021 2月 オーストラリア
脳神経にダメージを負うと、身体の垂直位を保つことが困難になることがある。これをラテロパルジョン(lateropulsion)という。
ラテロパルジョンには損傷側と同方向(ipsiversive)に傾くタイプと、損傷側と逆方向に傾く(contraversive)タイプがある。
同方向タイプは延髄や前庭器官に問題がある場合におきる。
反対方向タイプは プッシング、プッシャー現象、プッシャー症候群とも呼ばれ、脳卒中患者にもっともよく見られる。
ラテロパルジョンの有無で脳卒中転帰に差が生じるものか、くわしくしらべてみたそうな。
脳卒中後のラテロパルジョンと機能回復、リハビリテーション期間、退院先についての関係する論文を厳選して総合的に評価した。
ただし、対照群を含まないものや動物実験、同方向ラテロパルジョンまたは延髄疾患によるものは除外した。
次のことがわかった。
・133件から7件の論文に絞り込んだ。・逆方向ラテロパルジョンを示す脳卒中患者はラテロパルジョンのない患者と同程度に回復し、自宅へ退院できる可能性が高かった。・しかしリハビリテーションに長い期間を要した。
通常よりも3-4週間ながいリハビリテーション期間を想定しておけば、ラテロパルジョンを示す脳卒中患者であってもラテロパルジョンのない患者と同程度の回復を期待できる、
というおはなし。
感想:
べつに傾いたっていいじゃんね。
