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2021年4月25日

ランセット誌:迷走神経刺激で上肢リハビリ!

2021  4月  イギリス


脳卒中による長期にわたる上肢の機能低下は一般的であり、迷走神経刺激と組み合わせることで改善する可能性が報告されている。

これが効果的な治療法になりうるかどうか、三重盲検のランダム化比較試験でくわしくしらべてみたそうな。



イギリスとアメリカの19の脳卒中リハビリテーション施設にて、

発症から9ヶ月以上経つ中等度-重度の上肢麻痺の患者を、

迷走神経刺激(VNS)群と、対照群に等しく割り付けた。

全員に頸部の迷走神経を刺激する装置を手術で体内に埋め込んだ。

VNS群では上肢トレーニングの際に、最大0.8mA、30Hz、0.5秒の刺激パルスを、課題ごとにセラピストがスイッチをオンにした。

対照群では 0(ゼロ)mAとした。

週3回 計18セッション6週間の迷走神経刺激と上肢トレーニングを行い、

その直後と90日後に上肢機能を評価比較した。



次のようになった。

・VNS群に53人、対照群に55人が割り付けられた。

・106人が臨床試験を完遂した。

・介入直後の上肢機能FMA-UEスコア改善度の平均は、5.0 vs. 2.4ポイントでVNS群が有意にすぐれていた。

・90日後、FMA-UEスコアで臨床的に意味のある改善の得られた者の割合は、47% vs. 24% でVNS群が有意におおかった。

・有害事象は、手術に関連して対照群でのみ声帯麻痺の1件だった。


脳卒中で長期の中-重度の上肢麻痺にある患者に対して、リハビリ訓練と並行した迷走神経刺激であきらかな機能改善が認められた、


というおはなし。
埋め込み型迷走神経刺激装置
商品化されたもの

感想:

三重盲検ってあるけど、電流値の設定方法をみると、0.1mAずつ上げていって患者が耐えられなくなるギリギリの大きさ(~0.8mA)にするって書いてある。

つまりVNS群は刺激されていることが実感できている。いっぽう対照群はなにも感じない。

首のあたりがビリビリしてきたら、「あぁ自分は本刺激群になったんだ、期待に応えなきゃ」って、一所懸命に手動かすとおもう。

反対に対照群は、「ピリピリしない、、、埋め込み手術痛いのがまんしたのにおれは対照群にされたんだ」とガックリくる。そしてやる気が完全に消し飛ぶ。


これまで迷走神経刺激には期待してなんども記事にしてきたけど、結局そういうトリックを使わざるを得ない程度のもの、ってことなのかね。














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