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2021年7月18日

フローダイバーターのくも膜下出血治療8年

2021  7月  フィンランド


脳動脈瘤の治療には、クリップやコイルが用いられることがおおい。

しかし、解離性、水疱状の瘤にたいしてはフローダイバーターが使用されることがある。

フローダイバーターは効果が現れるまで数ヶ月間を要することや、血栓症や出血による合併症のリスクが懸念されているものの、データが少なくよくわかっていないので くわしくしらべてみたそうな。



2012-2020、5施設での脳動脈瘤破裂でフローダイバーター治療した患者110人の記録を解析した。



次のことがわかった。

・患者平均年齢は56、1年前後フォローした。

・64%の瘤は前方循環系に位置し、43%は水疱状の瘤だった。

・転帰良好(mRS2以下)は73%の患者に認められた。

・治療に関連する合併症は45%の患者に認められた。

・再出血は3%に認められた。

・90%の患者で完全閉塞が確認された。

・確認できた患者のうち全死亡率は18%だった。


フローダイバーターは破裂脳動脈瘤に対して高い閉塞効果をもたらすが、合併症率が非常に高かった、


というおはなし。
フローダイバーターの合併症

感想:

とにかく血栓ができやすいから、しばらくのあいだ抗血小板薬をダブルで飲み続ける必要があるため非常に出血しやすくなるという。

出血をとめるための治療でさらに出血しやすくなる不思議。

一生留置する器具だから、ほんの1年後の結果をみただけじゃ安心できない。長期のデータをちゃんと確認しないと。


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