元2021 8月 日本
日本では脳卒中は死亡原因の第4位である。年間27万人が発症または再発し、12万人が死亡している。
専門医は集中的なトレーニングプログラムを終了し、試験に合格することが求められ、定期的に資格の更新が必要である。
施設の医師数と死亡率との関連については、おおくの外科・内科疾患でよく報告されている。
しかし脳卒中専門医の数と死亡率との関連についてはあきらかでないので、くわしくしらべてみたそうな。
2010-2016の脳卒中入院患者の全国データセット J-ASPECT Study を用いた。
脳梗塞295150人、脳内出血98657人、くも膜下出血36174人の記録を解析した。
次のことがわかった。
・30日以内の院内死亡率は、脳梗塞4.4%、脳内出血16.0%、くも膜下出血26.6% だった。・症例数と医師数には相関関係があった。・専門医であるかどうかにかかわらず、フルタイムの脳卒中治療医の数がおおいほど、脳卒中のすべての種類について30日死亡率が低かった。
脳卒中治療医がおおいほど、院内死亡率は低かった。必要な専門医(神経外科医や血管内治療医)の数は脳卒中の種類や分野によって異なった、
というおはなし。
感想:
脳は他の臓器にくらべて桁違いに繊細であり、容易に手がつけられない。
船頭多くして船山に登る、という。
専門医がおおい施設の死亡率が低いことの裏側に、寝たきりになったmRSスコア5レベルの患者がどれくらいいたのか、を知りたかった。