元2021 9月 イギリス
高所得国では、脳内出血を発症した成人の少なくとも3分の1は抗血栓薬(抗血小板薬または抗凝固薬)を使用している。
彼らは一般人よりも脳梗塞や心筋梗塞のリスクが高い。
そこで、抗血栓療法を受けていて脳内出血になった患者にたいし、抗血小板薬を、再開または停止したときの影響を長期にくわしくしらべてみたそうな。
2013-2018に行われた臨床試験RESTARTを2020年まで延長した。
抗血栓療法中に脳内出血になった患者537人を、
抗血栓薬(抗血小板薬)の再開群268人、停止群269人にわけて、
脳内出血の再発、主要血管イベント(脳卒中、心筋梗塞、血管死)の発生を5年以上フォローした。
次のようになった。
・脳内出血の再発は、再開群8.2%、停止群9.3%で、有意な差はなかった。・主要血管イベントは、再開群26.8%、停止群32.5%で、有意な差ではなかった。
抗血栓療法中に脳内出血になった患者に、抗血小板薬を再開しても、脳内出血の再発や主要血管イベントの発生に影響しなかった、
というおはなし。
感想:
「脳内出血やっても安心してサラサラ薬を続けられます」って結論のようなんだけど、
そもそもサラサラ薬を飲んでいなければ起きなかったはずの脳内出血ではないのか?
サラサラ薬の、脳梗塞の再発予防メリットと脳内出血リスクが、おおかれ少なかれ相殺しているはずで、どっちの効果が勝っているのかが本当の問題。
