元2021 9月 イギリス
抗凝固薬は、心房細動患者の全身性塞栓症の発生率を3分の2に減少させるという。
しかし脳内出血の既往者への影響はよくわかっていない。
そこで、心房細動を有する脳内出血既往者にたいして、経口抗凝固薬を与えることが、それを与えない場合に比べて非劣性(non-inferior:副作用が小さい)かどうかをくわしくしらべてみたそうな。
イギリス67の病院で行われた臨床試験、Start or STop Anticoagulants Randomised Trial (SoSTART)について、
対象者は、脳内出血後24時間以上で、脳梗塞リスクを評価するCHA2DS2-VAScスコアが2以上の成人とした。
彼らを、経口抗凝固薬の使用開始(Start)群と、回避(Avoid)群に等しく割付け、1-2年間フォローした。
次のことがわかった。
・抗凝固薬の使用開始群は、回避群にくらべて非劣性ではなかった。使用開始群101人のうち8%、回避群102人のうち4%に脳内出血の再発が認められた。・重篤な有害事象は使用開始群の17%、回避群の15%に発生した。・この間に死亡したのは使用開始群の22%、回避群の11%だった。
脳内出血既往の心房細動患者への、抗凝固薬の投与は非劣性であるとは言えなかったが、脳内出血の再発率は予想より小さかった、
というおはなし。
感想:
上のグラフみると、使用開始群の再発患者は7/8が死亡してる。回避群の再発は死亡なし。
薬与えちゃまずいだろ。
これ↓書いたとき、抗凝固薬だったらどうなの?って思ったので関心をもった。