元2013 10月 日本
画像診断技術の進歩により、未破裂脳動脈瘤の発見が増加し、これらにたいして外科的治療が行われている。
しかし、未破裂脳動脈瘤の治療方針については未だ考え方の一致はみられていない。
いくつかの研究では、クリッピング後に動脈瘤の再発や新規瘤が発生し、脳血管障害が増加することが報告されている。
そこで、未破裂脳動脈瘤のクリッピング後の転帰を長期にフォローしてみたそうな。
1991-2008年に未破裂脳動脈瘤のクリッピング術を受けた患者166人のうち、手術合併症の重い2人を除き、3年以上フォローできた144人について、
次のことがわかった。
・患者の平均年齢は58.5、男性49人、女性95人だった。・平均フォロー期間は7.9年で、この間に8人が死亡していたが、このうち5人は脳卒中が原因だった。・10人の患者に12の脳血管イベント(脳梗塞7人、脳内出血4人、くも膜下出血1人)が発生した。・クリッピング後にくも膜下出血が発生する率は年間 0.085%であった。(一般人0.03%)
・これら患者の脳血管疾患の発生率は年間 1.06%であり、一般人の約3倍だった。
未破裂脳動脈瘤をクリッピング治療した患者のくも膜下出血発生率は一般人よりも高く、さらに脳卒中発生率も非常に高かった、
というおはなし。
感想:
脳ドックと称して健康な人の脳血管にわずかな膨らみを見つけては、
くも膜下出血の恐怖を煽りにあおって、命がけの検査や手術に誘導する。
しかもその手術は治療になっていないどころか状況を悪化させていた。
なんてひどいビジネスモデルだろうか、と常々感じていたけれど、
コロナワクチンキャンペーンを目の当たりにすると、
ぜんぜん比較にもならない可愛らしいものにすら思えてくる。
