元2021 12月 フィンランド
くも膜下出血(SAH)は脳卒中全体の2-9%を占める。
くも膜下出血の85%は動脈瘤の破裂によるもの、5%は脳動静脈奇形、のこり10%は出血源を特定できないアンギオ陰性である。
回復良好者はアンギオ陰性SAHの83-100%におよぶいっぽう動脈瘤破裂SAHでは59%にすぎないという報告がある。
アンギオ陰性SAHのおおきな研究はほとんどないので、フィンランド最大の大学病院でくわしくしらべてみたそうな。
2004-2018年のヘルシンキ大学病院でのアンギオ陰性くも膜下出血患者108例の記録を解析した。
次のことがわかった。
・108例のうち84%がGOS4-5の転帰良好を示し院内死亡は1例のみ、1年間に5%が死亡した。・年齢中央値は58、51%が女性で、93%が重症度は低かった(WFNSⅠ-Ⅲ)。・30%に水頭症の症状がみられ、転帰不良の因子でもあった。・中脳周囲の出血が見られるパターンが37%40人で、彼らのうち38人は転帰良好だった。・再出血を起こしたのは2名のみだった。
出血源不明なアンギオ陰性くも膜下出血患者のほとんどは転機良好で再出血もなかった。水頭症があると転帰がよくなかった、
というおはなし。
感想:
たぶん、解離して瘤になりそこねの動脈部位が裂けてすぐに血が止まった状態、が出血源不明の病因とおもう。だから中脳周囲に出血がみられやすい。
論文のなかでは出血源として静脈説が語られている。脳圧あがるほどの出血が起きうるのだろうか、静脈から。
いずれにしても、くも膜下出血には違いない。
瘤がないからクリップやコイルで塞ぐ手術ができないにもかかわらず、
彼らのほとんどは再出血することもなく、おとなしく寝かせておくだけで元通りに回復する。
クリップやコイルといった再出血予防手術は、ほんとうに必要なのだろうか?