元2022 1月 中国
脳梗塞は脳卒中の80%以上を占め、とくに大脳基底核の梗塞は運動、感覚、情動、言語の障害に影響する。その生理メカニズムの解明はリハビリテーション治療に役立つ可能性がある。
安静時脳機能MRIは全脳ネットワークの低周波ゆらぎ(ALFF)をしらべる方法としても期待されている。
とくに脳神経活動を反映する0.01-0.08Hzの低周波域のうち、slow-4(0.027-0.073Hz)およびslow-5(0.01-0.027Hz)はそれぞれ灰白質と前頭前野に由来するという報告がある。
そこで、大脳基底核の梗塞患者でのALFF、および低周波域全体に対する特定周波数の寄与率fALFFをもちいて臨床スコアとの相関をくわしくしらべてみたそうな。
急性の大脳基底核梗塞の患者 34人と健常者44人について、安静時脳機能MRI測定をおこなった。
次のことがわかった。
・梗塞患者は健常者にくらべて、右縁上回のslow-4のALFFが減少し、・右中前頭回のslow-4が増加、・両側の尾状核のslow-5が増加した。・右尾状核のslow-5のfALFFが運動機能スコアFMAと負の相関を示した。