元2022 3月 オランダ
脳卒中などの心血管疾患の再発予防のために、ほとんどのガイドラインでは食事ナトリウムの摂取量を1日あたり1.5-2.4g(食塩3.8-6.1g相当)に制限している。
しかし一次予防についての最近の研究では、ナトリウム摂取量と心血管疾患リスクとの間にJ字型またはU字型の関係が認められ、ナトリウムが少ないと高リスクになることがわかって来ている。
そこで、心血管疾患歴のある患者について、ナトリウムおよびカリウム摂取量と心血管疾患の再発リスクとの関連をくわしくしらべてみたそうな。
1996-2015年に心血管疾患になった7561人を対象とした。
朝に採取した尿から24時間のナトリウムおよびカリウムの尿中排泄量を川崎法で推定し、
心血管疾患の再発を7.4年前後フォローして関連を解析した。
次のようになった。
・24時間尿中ナトリウム推定排泄量と、再発および死亡の関係はJ字型を示し、それぞれ4.59g、4.97gのときにもっともリスクは低かった。・ナトリウム/カリウムの排泄量比もJ字型で、再発および死亡リスクはそれぞれ2.71、2.60のときもっとも低かった。・カリウムの尿中排泄量がおおいほど、再発および死亡のリスクが高かった。
脳卒中などの心血管疾患を経験したあとは、塩分の摂取を控えすぎるとかえって再発しやすくなる、
というおはなし。
感想:
食事から摂ったナトリウムは尿と汗に排泄される。
再発率がもっとも低い4.59gのナトリウムは食塩11.7gに相当するけど、汗のぶんを考慮して、13gくらいが「摂るべき」量になる。
カリウムがおおいのもいけないみたいだから、
薄味をがまんして野菜をいっしょうけんめいに摂るとますます脳卒中を再発しやすくなるってこと。