~ 5000超の記事をシンプルな単語で検索するよ!

2022年4月23日

脳梗塞で tPAが間に合うのに使わない理由

2022  4月  ノルウェー


急性脳梗塞への血栓溶解療法であるtPAの投与は、発症から4.5時間以内とされている。

スカンジナビア地域では急性脳梗塞患者の18-25%が血栓溶解療法を受けている。

血栓溶解療法の時間遅れ以外の禁忌条件として、抗凝固薬の使用、185/110mmHgを超える重症高血圧、中大脳動脈域の1/3を超える梗塞、がある。

しかしこれらの条件にあたらない場合でも、かなりの割合で血栓溶解療法がおこなわれていないことが報告されているのでその理由をくわしくしらべてみたそうな。



2015-2017年ノルウェーのアーケシェフース大学病院に入院した急性脳梗塞のうち、発症から4.5時間未満の全患者を対象とした。



次のことがわかった。

・4.5時間未満で入院した535人のうち、250人47%が血栓溶解療法を受けなかった。

・このうち禁忌条件に該当した者は26%のみであった。

・残りの74%の患者において、もっとも多かった理由は、症状がかるいこと、症状が回復傾向にあったこと、だった。

・血栓溶解療法を受けない予測因子として、脳卒中の既往、発症から3-4.5時間後の到着、軽症、が挙げられた。


急性脳梗塞で4.5時間未満で入院できた患者のうち、約半数は血栓溶解療法を受けていなかった。さらにその7割以上は禁忌条件に該当するわけでもなかった、


というおはなし。
tPAを使わない理由の図


感想:

症状が軽いとtPA打たないのね。良心的。

日本だったら「打って打って打ちまくれ!」ってなってそう。







ご意見 ご感想はこちら

名前

メール *

メッセージ *