元2022 7月 アメリカ
くも膜下出血には外傷性と非外傷性(自然発症)がある。
自然発症タイプの85%は動脈瘤破裂によるものである。
残りは特発性(原因不明)またはアンギオ陰性と表現されている。
心理ストレスが原因と思われるくも膜下出血があったそうな。
次のことがわかった。
・34歳の女性が10/10の最高強度の頭痛で救急外来を受診した。・おおきな病歴はなく、喫煙や家族歴もなかった。・私生活で配偶者の不倫が理由で離婚調停中にあり、極度のストレス状態だった。・CTで中脳周囲のくも膜下出血が認められた。・動脈瘤や狭窄の類はなかった。・血管攣縮予防のためのニモジピンを与えた。・入院から9日後、出血が解消していたので退院した。・2ヶ月後のフォローでは異常はなかった。
強い精神的ストレスが原因で、アンギオ陰性くも膜下出血が起きたと考えられた、
というおはなし。
感想:
アンギオ陰性くも膜下出血はおもしろい。
激しい頭痛と出血もある立派なくも膜下出血なのに動脈瘤がみつからない。
瘤がないのでクリップやコイルをはめようがないから保存療法になる。
それなのに患者の8割はほぼ元通りに回復する。
瘤治療の有効性に疑問を投げかけてくれるから好き。
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