元2022 9月 タイ
脳卒中後の血管性認知症の有病率は10-20%と報告されている。
その危険因子として、高齢、低学歴、糖尿病、心房細動、脳卒中の再発、脳卒中の重症度、白質病変など、が挙げられている。
これらをスコア化して認知症リスクの高い患者を選別できるよう、くわしくしらべてみたそうな。
脳梗塞患者177人について、6ヶ月後に認知症評価をおこない、入院時の情報との関連を解析した。
次のようになった。
・6ヶ月後、27.1%が認知症になり、50.3%は軽度認知障害、22.6%は正常だった。・認知症の危険因子として、年齢、教育歴、脳卒中の既往、MRIでの白質高信号域の数、脳梗塞の種類、が挙げられた。・これらをHASTEスコアとして名付けまとめると、H:Hyperintensities in white matter regions 白質高信号域2-3個 +2点A:Age 70歳以上 +4点S:Stroke history 脳卒中の既往あり +2点T:Type of stroke 主幹動脈閉塞、心原性塞栓 +1点E:Educational level 教育歴が7年未満 +2点となり、・ROC解析では合計スコアが、11点中5点以上で6ヶ月後の血管性認知症の可能性があきらかに高いと考えられた。
脳梗塞患者のHASTEスコアリングにより、将来の血管性認知症リスクが高い患者を識別できる、
というおはなし。
感想:
これまでにも同様の研究があったけど、MRアンギオを評価項目に含んでいた。MRアンギオはMRIの装置性能に依るところがおおきいので、貧乏病院だとわかるものもわからない。
白質高信号域はごくふつうのMRIで撮るとわかる、という点でこの研究はすぐれているという。