元2023 1月 スイス
くも膜下出血患者の約15%では、初回アンギオ検査で出血源となる動脈瘤がみつからない。
これらの非動脈瘤性くも膜下出血の患者は中脳周囲(PM)タイプと非中脳周囲(NP)タイプに分類できる。
NPタイプでは、原因となる動脈瘤を探すためのフォローアップアンギオ撮影をおこなう習慣になっているが、その最適な時期や頻度は決まっていないのでくわしくしらべてみたそうな。
2005-2018年のチューリッヒ大学病院でのNPタイプの非動脈瘤性くも膜下出血患者の記録を分析した。
次のことがわかった。
・81人のNPタイプ患者が対象となった。・8人 9.9%の患者でアンギオの再撮影で動脈瘤がみつかった。・内訳は、発症から2週間以内の再撮影で5つの動脈瘤が見つかり、2-8週間の再撮影でさらに3つがみつかった。・8週間以降の再撮影で動脈瘤がみつかった患者はいなかった。・これら8例のうち5例でMRIを施行したところ、すべて動脈瘤を描出できた。
初回アンギオで脳動脈瘤がみつからなかった非中脳周囲タイプのくも膜下出血患者のうち、1割ほどは短中期的アンギオ再撮影で動脈瘤を発見することができた、
というおはなし。
感想:
この報告に関心をもった理由↓。
くも膜下出血の発症から何週間も経っているから、とっくに出血はとまっているはずなのに、
たまたまみつかった動脈瘤が出血源であると決めつけている。
このことからくも膜下出血治療では、原因となる動脈瘤からの出血を確認しているわけではないことがわかる。
もし中脳周囲タイプのようにどこかの血管壁が裂けて出血している場合、ぐうぜんみつかった動脈瘤をコイルやクリップで治療しても、再出血率は変わらないし死亡率も改善しないだろう。
それどころか動脈瘤治療の有効性をしめすランダム化比較試験がいまだ存在しない。
なぜ根拠がない治療をつづけることができるのか?