元2023 6月 中国
血栓溶解療法は軽症の脳卒中患者にもますます使用されるようになってきているが、軽症かつなんの障害もない脳卒中患者への有用性はあきらかでない。
そこで、非障害の軽症脳卒中患者への二重抗血小板療法(DAPT)が静脈内血栓溶解療法に劣らないかどうかをくわしくしらべてみたそうな。
2018-2022年に、患者760人を対象に多施設ランダム化比較試験をおこなった。
発症後4.5時間以内にクロピドグレルおよびアスピリンを始め、2週間投与を継続するDAPT群393人と、
当日のみアルテプラーゼ静注の群367人、にわけて90日後の優れた機能転帰mRSスコア0-1の割合を比較した。
次のようになった。
・94.6%が試験を完遂した。・90日後、DAPT群では93.8%が、アルテプラーゼ群では91.4%が優れた機能転帰を示した。・この差は有意におおきく、DAPT群が非劣性(noninferior)であると考えられた。・90日後の症候性脳内出血は、DAPT群の0.3%、アルテプラーゼ群の0.9%に発生した。
発症から4.5時間以内の軽症脳梗塞患者において、2週間の二重抗血小板療法は90日後の優れた機能転帰に関して血栓溶解療法にまさるとも劣らない効果を示した、
というおはなし。
感想:
軽い脳梗塞はほうっておいてもよくなるから、リスクをとって積極治療にゆくよりは、つづく再発の防止に力をいれたほうが得策ってことなんだろな。
アルテプラーゼを夢の治療薬のように持ち上げて脳卒中に縁のない小学生にまで洗脳教育をはじめてるけど、サラサラ薬二重投与よりもはるかに脳内出血おきやすいとは知らなんだ↓。