元2023 6月 日本
救急外来を訪れる全患者の5-10%には意識障害がある。
重篤な意識障害では病歴の聴取や診察が困難である。
とくに脳卒中は治療の遅れが予後の悪化につながるので早期の鑑別が必要である。
そこで、病院前段階での重度の意識障害の原因としての脳卒中と鑑別指標についてくわしくしらべてみたそうな。
2018年、神戸市の三次病院救急外来での重度意識障害患者で、16歳以上の記録を対象とした。
最終的な診断を、脳卒中、中毒、てんかん、感染症、精神疾患、代謝障害(低血糖、肝性脳症など)、環境障害(低体温、熱中症)、循環器疾患、その他、に分類した。
次のことがわかった。
・平均年齢71、227例の患者が対象となった。・脳卒中が30%を占めもっともおおかった。・中毒と精神疾患は若い患者に有意におおかった。・収縮期血圧が脳卒中患者がもっとも高かった。・死亡率は脳卒中患者がもっとも高く55.9%だった。・収縮期血圧、気道障害、眼球偏位や瞳孔不同、が脳卒中と関連する因子だった。
重度の意識障害の原因としてもっともおおかったのは脳卒中だった。若い患者には中毒や精神疾患の可能性が高かった。収縮期血圧、気道や眼球の異常は脳卒中と関連する因子だった、
というおはなし。
感想:
死亡率たかいな。
重度の意識障害は、「ジャパン・コーマスケールのⅢ桁表示」に相当。
Ⅲ-100:痛み刺激に対し、払い除ける動作をする。
Ⅲ-200:痛み刺激に対し、少し手足を動かしたり、顔をしかめたりする。
Ⅲ-300:痛みに反応しない。
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