元2023 9月 スウェーデン
全脳卒中のうち、神経症状NIHSSスコアが5以下の軽症脳卒中が大多数を占める。
しかし、軽症脳卒中患者の3分の1は、3ヵ月後には重大な障害を示すという。
とくに、入院時のNIHSSが0点で定義される、おそらく最も軽症の脳卒中に関する研究は乏しいので、その特徴と転帰をくわしくしらべてみたそうな。
2014年11月から2019年6月までにスウェーデンのヨーテボリにある3つの異なる脳卒中ユニットに入院した計6491人の成人脳卒中患者を対象とした。
発症3ヵ月後の死亡および日常生活動作(ADL)依存と入院時NIHSSスコア0との関連を解析した。
次のことがわかった。
・入院時にNIHSSのデータを有していた患者は5945人で、そのうち1412人(24%)がNIHSS0の脳卒中であった。・かれらの年齢中央値は72歳、女性600例(42%)、脳出血86例(6%)であった。・もともとADL非依存であった患者のうち、65人(6%)が脳卒中後3ヵ月で死亡またはADL依存となった。・脳卒中前の運動不足が、死亡とADL依存のリスクを有意に増加させた。
入院時の神経症状NIHSSスコアが0(ゼロ)の最軽症の脳卒中患者のうち、17人に1人が3か月後に死亡またはADL依存となっていた。とくに運動不足だった患者が転帰不良となりやすかった、
というおはなし。
感想:
顕著なFAST症状(顔、腕、口)はないけれど、なんとなく調子が悪いので病院にいったらMRIで梗塞がみつかった、がNIHSS0の患者。
いろいろ薬もらったり再発したりした結果、3か月後には悪化。
これは運動不足患者におおかった、ってこと。