元2023 8月 オーストリア
軽症脳梗塞の急性期において、静脈内血栓溶解療法(IVT)が早期の2剤併用抗血小板療法(DAPT)に優るかどうかはあきらかになっていないので、それらの安全性と有効性をくわしくしらべてみたそうな。
2018~2021年にIVTまたは早期DAPTを受けた、入院時の神経症状NHISSスコア≦3の軽症で非心臓塞栓性の脳梗塞患者のデータを、全国規模の登録から抽出した。
脳内出血および、早期神経学的悪化≧NIHSS4点、3ヶ月時点での障害度mRSスケールとの関連を解析した。
次のことがわかった。
・IVTを受けた軽症脳梗塞患者1195例とDAPTを受けた患者2625例が組み入れられた。・IVT患者はDAPT患者と比較して、若年、高血圧、糖尿病、心筋梗塞の既往が少なく、入院時のNIHSSスコアはわずかに高かった(中央値2 vs 中央値1)。・患者条件のマッチング後、IVTは脳内出血および早期神経学的悪化と関連しており、3ヵ月後の転帰良好者mRS 0-1の割合に差はなかった。
全国規模の脳卒中患者のデータ解析により、軽症の非心塞栓性脳梗塞において静脈内血栓溶解療法は2剤併用抗血小板療法より優れておらず、最終的には有害であることを示している、
というおはなし。
感想:
4.5時間以内に高い薬アルテプラーゼをつかわなくても、ゆるいタイミングではるかに安価なクロピドグレルとアスピリンを2週間だけ与えるほうが、ずっと安全でかつまさるとも劣らず効果的であった、という事実がつぎつぎとあきらかに↓。