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2024年7月24日

衝撃!脳卒中予防試験の落とし穴:軽度障害者偏重が隠す真実とは?

2024  7月  アメリカ


脳卒中の再発(二次)予防試験において、軽度の障害を持つ患者が過剰に登録される傾向がある。

このような偏りは、試験結果の一般化や重度の障害を持つ患者への適用を制限する。

そこで、二つの臨床試験の後ろ向き解析をもちいて、軽障害者への偏りの影響をくわしくしらべてみたそうな。



脳卒中後の障害度が脳卒中の再発および主要心血管イベント(MACE)の発生率に与える影響を調査するための二つの大規模な二次予防試験(PRoFESSおよびIRIS)のデータを後ろ向きに解析した。

研究対象者は、試験開始時のmodified Rankin Scale(mRS)スコアに基づいて三つのグループ(mRSスコア0、1-2、3以上)に分類された。



次のようになった。

・PRoFESS試験では20,183人、IRIS試験では3,265人のデータが解析された。

・PRoFESS試験では、再発脳卒中の発生率はmRSスコア0の患者で7.2%、mRSスコア1-2の患者で8.7%、mRSスコア3以上の患者で10.6%であった。

・IRIS試験では、同様に6.4%、9.0%、11.7%であった。

・また、MACEの発生率もmRSスコアが高いほど増加する傾向が見られた。これらの結果は、重度の障害を持つ患者が再発リスクが高いことを示している。

・さらに、PRoFESS試験の対象者の62.3%(12,570人)がmRSスコア1-2の軽度障害を持つ患者であったのに対し、mRSスコア3以上の重度障害を持つ患者は23.7%(4,779人)に過ぎなかった。

・IRIS試験でも同様に、軽度障害を持つ患者が57.0%(1,862人)であり、重度障害を持つ患者は9.4%(307人)であった。


軽度の障害を持つ患者はあきらかに再発リスクが低いため、この偏りが予防介入の効果を過大評価する可能性がある。重度の障害を持つ患者も含めることで、より現実的で一般化可能な結果を得ることができる。今後の臨床試験デザインにおいて、より包括的なアプローチが求められ、すべての脳卒中患者が公平に治療効果を享受できるようになることが期待される


というおはなし。

脳卒中軽障害者偏重の問題


感想:

いっぱんに、予防介入の臨床試験では介入効果を最大化するために、若くてげんきそうな男性を被験者にしがちである。

そうやって得られた経験を一般の人に適用すると、再発しまくるばかりか副作用でもひどい目にあう患者が続出する。

こういった事態を防ぐために、実際の臨床状況を反映した被験者選びが必要なのでは?というあたりまえの問題提起がこの論文の主旨。




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