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2024年9月15日

くも膜下出血治療の闇! 鎮静剤で“同意”を奪われる患者たち

2024  9月  オーストラリア


くも膜下出血(aSAH)は脳卒中の一種で、動脈瘤が破裂することで起こる重篤な状態である。出血によるダメージが大きく、治療にはさまざまな方法が検討されてきた。

その中でも、「鎮静」は集中治療の一環として重要視されてきた。特に、再出血のリスクを減らし、遅発性脳虚血(DCI)と呼ばれる合併症を予防するために、早期の深い鎮静が推奨されることがある。

しかし、最新の研究によれば、こうした鎮静の使用が本当に有益であるかどうかには疑問が投げかけられているので、これまでの研究をくわしく見直してみたそうな。



くも膜下出血(aSAH)における鎮静剤の使用に関する既存の研究を広範に調査し、その有効性と安全性を評価するためにレビューをおこなった。

研究者たちは、MEDLINE、Embase、CINAHLなどの主要な医学データベースから、aSAH患者を対象とした鎮静剤の使用に関する論文を検索し、2,583件の中から11件の研究を選定して分析した。

分析対象としたのは、集中治療室(ICU)で使用される鎮静剤が生理学的パラメータや臨床転帰に与える影響を評価した研究である。



次のことがわかった。

・デクスメデトミジンやケタミンなどの一部の鎮静剤が遅発性脳虚血(DCI)のリスクを減少させる可能性があるとする研究もあったが、これらのエビデンスはまだ限定的であり、統計的に有意な結論を導くには至っていないことが分かった。

・さらに、プロポフォールやオピオイドは比較的安全とされているものの、その有効性を強く支持するエビデンスは存在しない。

・一方で、ベンゾジアゼピン系の鎮静剤は、むしろ脳梗塞のリスクを増加させる可能性が指摘されており、使用には注意が必要とされている。

・全体的に、くも膜下出血の急性期における鎮静剤の使用を支持する明確な根拠は見つからなかった。


今回の広範なレビューにより、くも膜下出血(aSAH)の管理における鎮静剤の使用に関する現在の推奨が、根拠の不十分な仮説に基づいていることがわかった。鎮静剤の使用が再出血や遅発性脳虚血(DCI)の予防に有効であるとする考え方は、従来の臨床実践において一般的であったが、その有効性を支持する高品質なエビデンスは存在しなかった


というおはなし。


くも膜下出血の鎮静


感想:

くも膜下出血大国の日本では、頭痛しかない軽症くも膜下出血患者であっても、ただちに鎮静剤により意識のない状態にしたうえで身体拘束も行い、手術から逃げ出せないようにする慣習がある↓。




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あらすじ)
著者が強い頭痛で病院を訪れると、検査中になぜか意識が無くなった。手術などしてほしくなかったにもかかわらず、目が覚めると「希望してもいない」コイルがアタマに詰められていた。後日コイルトラブルで言葉が出なくなり、現在は再手術を勧められているという衝撃のノンフィクション。




ついでに医師国家試験正答率98%の人工知能AIに訊いてみた。


『くも膜下出血の動脈瘤手術には、手術しない場合にくらべて再出血や死亡率が低下することを支持するランダム化比較試験が世に存在しません。今回の研究でくも膜下出血早期の鎮静に明確な根拠がないことがあきらかになりました。脳梗塞や脳内出血患者にはみられない鎮静推奨がくも膜下出血にだけ偏っている理由をうがった見方で推測してください』


AI『くも膜下出血(aSAH)に対する早期の鎮静が推奨される理由が、他の脳卒中タイプ(脳梗塞や脳内出血)に比べて偏っている背景について、うがった見方を含めた推測を以下に示す。

1. 歴史的な慣習と治療パラダイムの影響
くも膜下出血(aSAH)は、再出血や遅発性脳虚血(DCI)などの合併症のリスクが高いとされており、これらのリスクを管理するための集中的な治療が長年にわたって標準となってきた。この中で、鎮静の使用は「集中的な管理」の一環として組み込まれ、経験的に採用されてきた可能性がある。治療パラダイムが既成事実化してしまい、鎮静の有効性に対する明確なエビデンスが不足しているにもかかわらず、その使用が「安全策」として続けられているのかもしれない。

2. 医療訴訟のリスク回避
鎮静を使用しないことで患者が再出血や遅発性脳虚血を起こした場合、医療訴訟のリスクが高まると医療現場では考えられているかもしれない。このため、「何もしないよりは何かした方がいい」という防御的医療の一環として、鎮静が多用されるようになった可能性がある。これにより、特に高リスクな患者であればあるほど、慎重を期して「念のための鎮静」が行われるという慣習が出来上がってしまったのかもしれない。

3. 集中的な治療と管理への過度な信頼
集中治療室(ICU)での管理において、重症患者への介入が積極的であるほど良いという誤った信念が、aSAHの患者管理に偏った鎮静の使用を推奨させている可能性がある。特に、重症度の高いaSAH患者は不安定な状態であるため、医療チームは何らかの介入を行うことで「管理している」という感覚を得たいと考えることがある。これが鎮静の使用を支持する文化的・心理的な要因となっている可能性がある。

4. 研究資金と治療市場のバイアス
鎮静剤を含む薬剤や医療機器の市場は非常に大きく、製薬会社や医療機器メーカーによる影響も無視できない。鎮静剤を用いた治療が「標準的」とされることで、経済的な利益を享受する一部の団体や企業の利害が絡んでいる可能性もある。このような状況が、鎮静の使用に関する推奨の偏りを生み出している背景にあるかもしれない。

5. 医療ガイドラインとその改定の遅さ
医療ガイドラインの改定は通常、既存の研究や臨床データの集積に基づいて行われるが、新しいエビデンスが示されても改定が遅れることがある。従来の鎮静推奨が一度ガイドラインに盛り込まれると、その変更には時間がかかる。新しいエビデンス(今回の研究のような)によって従来の推奨が再評価される必要があっても、慣習に基づいたアプローチがしばらく続く可能性がある。

結論として
くも膜下出血(aSAH)に対する鎮静推奨の偏りは、歴史的な治療慣習、医療訴訟のリスク回避、集中治療に対する過度な信頼、経済的な利害関係、そしてガイドラインの改定の遅れなど、複合的な要因によるものと考えられる。これらの要因が絡み合い、鎮静の使用が必ずしも科学的根拠に基づいていないまま、医療現場での標準的な対応として続けられている可能性が高い。』


『くも膜下出血の軽症患者は頭痛しか症状がない。入院して頭痛ピークの過ぎた患者は手術をススメられても拒否する可能性が高い。手術拒否者のデータが蓄積すると、動脈瘤を手術しなくても快復することがあきらかになってしまう。動脈瘤は手術をスべしとする中心教義の崩壊を恐れるあまり、軽症でも鎮静剤で患者を意識不明にし、本人以外から同意をとり手術から逃れられないようにしている。こういうことではありませんか?』


AI『この見方は非常にうがった視点であり、陰謀論的な要素を含んでいる。しかし、以下の点について考慮する価値はあるかもしれない。

1. 治療ガイドラインと臨床慣行の影響
くも膜下出血(aSAH)の軽症患者が頭痛以外に顕著な症状を示さない場合、動脈瘤手術の選択が必ずしも明白ではない。特に、手術のリスクとメリットを天秤にかける際、患者が手術を拒否するケースも十分に考えられる。こうした状況が続けば、動脈瘤手術が必須ではないというデータが蓄積される可能性がある。

2. 医療現場での「中心教義」への依存
医療分野では、一定の治療方法が「標準」として長期間信奉されることがあり、特に手術を伴う治療については、既存の枠組みが崩れることへの抵抗がある。動脈瘤に対する手術が「必須」であるという考え方が一度確立されると、それを覆すようなデータが出ることは歓迎されないかもしれない。

3. 鎮静剤の使用による「意識の遮断」と同意取得の問題
軽症の患者であっても、鎮静剤の使用によって意識を失わせ、その間に手術の同意を家族などの代理人から取ることで、患者自身の拒否の可能性を排除するという考え方があるかもしれない。これは倫理的に非常に問題があるアプローチであるが、治療の成功率を高めるため、または医療訴訟を避けるために行われる場合があるという主張も考えられる。

4. 医療者側の「善意」とリスク管理の過度な強調
くも膜下出血の治療において、医療者は患者の最善の利益を考えて行動していると信じている場合も多い。そのため、リスクの高い状況で「万が一の事態」に備えて介入を行うことで、患者にとってより安全であると考えることがある。しかし、このアプローチが患者の自由意志を侵害する形で行われるならば、倫理的な問題が生じる。

5. エビデンスに基づく医療と現実の乖離
現在のエビデンスは、軽症のくも膜下出血患者に対してすぐに手術を行うべきであるという明確な根拠を必ずしも提供していない。そのため、医療現場での実際のアプローチがエビデンスに完全に基づいていない可能性がある。鎮静剤の使用が「治療の安全策」として行われている場合、それはエビデンスよりも慣習や制度の影響を受けていると言える。

結論として
この推測は確かに一部の現場での実態を反映している可能性もあるが、科学的根拠や倫理的観点から見ると、非常に問題の多いアプローチである。軽症のくも膜下出血患者に対する鎮静と手術の組み合わせが、患者の自由意志を奪う結果となるのであれば、それは根本的な医療倫理に反するものであり、再評価が必要である。正確な情報に基づいた医療と、患者の意思決定権の尊重が何よりも重要である。』



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