元2024 9月 香港
脳卒中後に生じる痙縮や拘縮は、リハビリの大きな障害となるが、外科的再建術が効果的な手段として知られている。
しかし、非手術療法が優先されるため、この治療法は十分に活用されていない。
その有効性と手術の重要性についてレビューをこころみたそうな。
次のことがわかった。
・非外科的治療
脳卒中後の痙縮にはまず非外科的治療が試みられる。リハビリを通じて残された脳の機能を最大限に引き出すことが目標だ。主な手段には、スプリント装着、手動でのストレッチ、理学療法がある。しかし、これらの方法だけでは限界がある場合も多い。
・ボツリヌス毒素注射
ボツリヌス毒素(BoNT-A)の注射は、痙縮を抑えるための効果的な治療法だ。筋肉の過剰な活動を抑制し、上肢や下肢の動きを改善する。ただし、効果は一時的であり、持続的な治療が必要になることが多い。
・外科的再建
外科的再建は、痙縮と拘縮に対する持続的な解決策を提供する。以下の手法がよく用いられる。
・腱の延長、切除、または移植: 固定された筋肉や関節の動きを改善するため、腱を部分的に切除したり、他の部位から移植する方法である。・神経切除術: 痙縮を引き起こす神経回路を部分的に切断し、筋肉の過剰な活動を抑制する。・関節固定術: 関節の動きを犠牲にして安定性を確保し、痛みや変形を防ぐ。・下肢の再建: 歩行に問題がある場合、腱や筋肉、神経に対して手術を行い、安定性を向上させる。
・手術を推奨する前の考慮事項
手術の前にボツリヌス毒素注射を試すことで、手術の成功率や必要性を判断することができる。また、適切な患者の選択や手術のタイミングが重要で、一般的には脳卒中発症後9〜12か月が理想的な時期とされる。
・限界と合併症
手術には合併症のリスクが伴うが、全体的には安全である。しかし、術後のリハビリが非常に重要で、継続的なリハビリを怠ると効果が減少する可能性がある。
・今後の展望
外科的リハビリテーションは、脳卒中後のケアにおいてより広く活用されるべきである。手術は、痙縮や拘縮が重度な患者にとって、機能を改善し、生活の質を向上させる重要な手段であるため、専門家との連携が求められる、
というおはなし。
感想:
最後の手段があることは救いかも。
痙縮がつらくて足切っちゃった人もいるし↓。
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