元2024 10月 ポルトガル
脳卒中は、身体的な障害だけでなく、社会生活や精神的健康にも大きな影響を与える。
特に、脳卒中経験者が再び職場に戻ることは重要なリハビリの目標であり、自立性や社会的統合の促進に寄与する。
そこで、職場復帰と脳卒中経験者のメンタルヘルスや生活の質、コミュニティ統合との関連をくわしくしらべてみたそうな。
553名の対象者は、18~24ヶ月前に脳卒中を経験し、当時職業に従事していた者たちである。
彼らに対して、職場復帰状況、メンタルヘルス(不安および抑うつ症状)、生活の質(QoL)、およびコミュニティ統合を評価するための質問票が実施された。
メンタルヘルスの評価には、Hospital Anxiety and Depression Scale(HADS)が使用され、生活の質はStroke Specific Quality of Life Scale(SS-QoL)で評価された。
次のことがわかった。
・約56.6%の脳卒中経験者が職場に復帰していたが、そのうち抑うつ症状は有意に悪化していた(調整後のβ = 0.63、95% CI 0.20–1.46)。・一方で、職場復帰が生活の質全般に対して有意な改善をもたらすことは確認されなかった。・職場復帰はコミュニティ統合には良い影響を与えたが、特に精神的健康、特に抑うつ症状に関しては負の影響を示した。
