元2024 12月 韓国
脳梗塞を経験した人の中には、のちに認知症を発症するケースが多いことが知られている。
しかし、長期的にどのくらいの人が認知症を発症するのか、また、どのような要因がそのリスクを高めるのかについては十分に理解されていないので、大規模な医療データを用いて、脳梗塞後の認知症発症率とそのリスク因子をくわしくしらべてみたそうな。
2008年から2014年の間に脳梗塞を経験した認知症の既往歴がない患者37,553人のデータを解析した。
患者の認知症発症を追跡し、加齢、教育水準、糖尿病、脳梗塞の重症度、治療内容(抗凝固薬、抗精神病薬、スタチンなど)などの要因との関連を調査した。
次のことがわかった。
・対象者のうち、16.1%が5年以内に認知症を発症し、10年後の累積発症率は23.5%に達した。・認知症リスクを高める因子として、高齢(10年ごとにリスク1.82倍増)、教育水準の低さ(特に無学歴の場合1.65倍増)、糖尿病(1.21倍増)、初回脳梗塞の重症度、が確認された。・また、抗精神病薬や抗凝固薬の使用がリスクを高める一方、スタチン療法は認知症リスクを低下させる可能性が示された。・男性は女性より認知症リスクが低いこともわかった(0.86倍)。
脳梗塞後の認知症は一般的であり、長期的な視点で見ると約4人に1人が発症する。特に高齢者や教育水準が低い人、糖尿病の患者は注意が必要である。一方で、スタチン療法などの治療が予防に寄与する可能性があるため、リスク因子を適切に管理することが重要である、
というおはなし。
感想:
じつは認知症全体に占める脳卒中が直接の原因である割合はわずかで10%未満しかない。しかし血圧を低く保っていると認知症になりやすい。↓
