元2025 1月 オーストラリア
転倒は脳卒中後によく見られる問題であり、骨折や重いケガにつながる恐れがある。
既に知られているリスク因子として、高齢であることや、脳卒中直後の運動能力の低下が挙げられている。そこで、大規模な国際データを用いて、これらの因子が深刻な転倒にどう関連しているかをくわしくしらべてみたそうな。
研究は、AVERT試験という大規模な脳卒中リハビリテーションのデータを用いて行われた。対象となったのは、発症後24時間以内に入院した2104人の患者である。
転倒は、死亡や生命の危険、入院の必要性などがある「深刻な転倒」として定義された。参加者の年齢、脳卒中前の身体機能、脳卒中直後の歩行能力など、さまざまな要因が記録され、これらが深刻な転倒とどのように関連しているか統計的に解析された。
次のことがわかった。
・全体の約4%(85人)の参加者が脳卒中後1年以内に深刻な転倒を経験していることが分かった。・特に、年齢が高い人や、脳卒中直後の早い段階で歩行がうまくできなかった人、もしくは脳卒中前から運動機能に問題があった人に、転倒のリスクが高い傾向があることが明らかになった。・転倒の多くは自宅や病院内で、日中に発生している。・また、転倒による骨折、特に股関節の骨折が頻繁に見られた。
脳卒中後に深刻な転倒が発生するリスクが、特に高齢であり、脳卒中直後の運動機能が低下している人に顕著であることがあきらかになった。すなわち、脳卒中後のリハビリテーションや生活指導の中で、転倒リスクの評価を早期に行い、必要な支援や安全対策を講じることが重要である、
というおはなし。
感想:
これまでもわかっていたリスク因子が、大規模な国際データに基づいてあらためて確認されたってこと。
