元
ビタミンや栄養補助食品(サプリメント)は健康維持のために広く利用されている。しかし、これらが脳卒中など心血管疾患(CVD)の予防に本当に効果があるのかは、これまで明確な証拠がなかった。
そこで、スイスの大規模な前向き研究「CoLaus|PsyCoLaus研究」で、ビタミン・ミネラルサプリメントの長期的な摂取と、脳卒中を含む心血管疾患の発症・死亡リスクとの関連をくわしくしらべてみたそうな。
スイス・ローザンヌの住民を対象に行われた前向きコホート研究であり、参加者は、
非使用者(研究開始時および初回フォローアップ時にサプリメントを使用していない)
持続的使用者(両時点で使用)
時々使用者(いずれかの時点で使用)
の3つのグループに分類された。
研究では、脳卒中を含む心血管疾患の発症や全死亡率を、中央値9年間の追跡調査で評価した。
次のようになった。
・合計4,261人(平均年齢57.4歳、女性55%)のデータを解析した。
・ビタミン・ミネラルおよび栄養補助食品の使用は、脳卒中の発症や死亡リスクと有意な関連を示さなかった。
・また、心血管疾患全体(冠動脈疾患や脳卒中を含む)や全死亡率との間にも有意な関係は認められなかった。
・ただし、持続的なサプリメント使用は、女性に限って冠動脈疾患(CHD)のリスク増加と関連していた(ハザード比3.12, p = 0.002)。一方で、男性ではそのようなリスク増加は見られず、脳卒中の発症リスクも男女ともに変化しなかった。
この研究は、ビタミン・ミネラルサプリメントの摂取が脳卒中の予防や死亡リスク低減に寄与しないことを示している。さらに、女性においては冠動脈疾患のリスク増加が示唆されており、特定のサプリメントの影響についてさらなる検討が必要である、
というおはなし。
感想:
サプリメントは脳卒中予防にいいことはなにもなかった、ってこと。