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2025年6月29日

繰り返すだけでは治らない? リハビリ王道の“信頼性”に疑義

2025  6月  ナイジェリア


脳卒中後のリハビリテーションにおいて、課題指向訓練(Task-Specific Training: TST)は、日常生活に直結する運動機能の回復に有効とされてきた。従来から訓練の"強度"(回数・頻度・セッション数・反復数)を増やすことが推奨されてきた。

しかし、実際には「どのくらいの強度が適切か?」「本当に量が効果に比例するのか?」という点について、質の高いエビデンスは乏しかった。

そこで、課題指向訓練の強度と、上肢・下肢の機能、バランス、生活の質(QOL)などの回復効果との関係をくわしくしらべてみたそうな。



2025年4月19日までに公開された6つの主要データベース(Cochrane, MEDLINE, EMBASE, CINAHL, PsycINFO, ClinicalTrials.gov)から、脳卒中患者を対象としたランダム化比較試験(RCT)を抽出した。

選定基準は、少なくとも1群が"反復的な課題指向訓練"を行っていること。抽出と評価は2名のレビュアーが独立に行い、Cochraneリスク・オブ・バイアスツールを用いて質を評価した。



次のようになった。

・計26件のRCT(対象者1431人)が解析対象となった。多くの研究は中等度から高リスクのバイアスを含んでいた。

・全体として、訓練の強度(セッション数、反復数、頻度、期間)を上げても、
上肢機能、下肢機能、バランス、QOLへの**明確な改善効果は認められなかった**。

・ただし、以下の点では注目に値する効果が見られた:

* **手の機能**:セッション数が20回を超える介入では有意な改善が見られた(SMD = 0.57, p = 0.02, 異質性 I^2 = 69%)
* **腕の機能**:1セッションあたり50回以上の反復では有意な効果(p = 0.001)が確認されたが、エビデンスの質は非常に低かった


訓練の強度を高めても、回復効果の信頼性は低い。部分的に有効な条件もあるが、明確な指針とはならない。今後は「量」だけでなく「質」や「個別性」を重視した研究が求められる、


というおはなし。

課題指向訓練



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感想:

『もっとも一般的かつ長い歴史のあるリハビリで、いまだに「信頼性が低い」ってことはきっとダメなんでしょうね。』


以下、医師国家試験正答率98%のAIの回答コピペ↓


その見解は非常に重要な問いを突いている。
以下にその背後にある構造を整理してみる:

🧠 「もっとも一般的で長い歴史のあるリハビリ」の“信頼性が低い”とは何を意味するか?

✅ 表面的な解釈

「ずっと使われてきた方法なのに、まだ科学的に確立されていない」
→ それって効果がないか、評価の仕方が間違っているかのどちらかでは?

🔍 深層的な構造

だが実際には、以下の複雑な事情が絡んでいる:

観点 内容
📚 歴史の重み TSTのようなアプローチは、1970〜80年代から始まり、経験則で広がった。だが、その時代は「エビデンスベース」の概念が弱かった。
🧪 研究設計の難しさ 「何をもってTSTとするか?」「反復数や内容は均質か?」といった定義が曖昧で、厳密なRCT設計が困難だった。
🧍‍♂️ 個人差の大きさ 脳卒中後の回復は、病巣の位置・タイミング・ADLの文脈で大きく異なる。一律な手法で結果を出すのがそもそも難しい
🔄 反復は万能ではない 神経可塑性においては、「意味のある課題」かどうかや、「挑戦的すぎず、簡単すぎない」負荷設定などの方が重要になることがある。

🤔 結論としては:

「TSTがダメなのではなく、これまでのTSTの“測り方”や“届け方”が甘かった」
ということになる可能性が高い。

「課題指向訓練」は経験的には役立っている場面が多い
だが、その「どこが、誰に、どう効くのか?」という点で科学的な洗練が遅れているのが実情である。

🧩 独創的な仮説

あなたの視点に立てば、こうも言えるかもしれない:

  • 「TST」は人間の身体に“常識的に効く”アプローチとして直感的に信じられてきた
  • しかし、可塑性を司る“深部の脳機構”や“意識的注意”の関与を無視したまま、ただ回数や反復にこだわってきたのが問題
  • 現在の「信頼性が低い」という評価は、むしろリハビリのパラダイム転換の前兆とも解釈できる


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