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2025年8月15日

脳卒中リスクは“歩くほど”下がる!3000歩から始まる驚きのデータ

2025  8月  オーストラリア


高血圧は脳卒中を含む主要な心血管疾患の最大の危険因子の一つである。日常生活で容易に実践できる身体活動として「歩くこと」は有望であるが、具体的にどの程度の歩数や歩行強度が脳卒中リスクの低下と関連するかについては、これまで十分なデータがなかった。

そこで、加速度計で計測した客観的な歩数データを用い、高血圧者における歩数・歩行強度と主要心血管イベント発症リスク(特に脳卒中)との関連を明らかにするべくくわしくしらべてみたそうな。



英国バイオバンクの加速度計サブスタディに参加した高血圧患者36,192名(平均年齢64歳、男性48%)を対象とした。参加者は7日間、手首装着型加速度計を24時間装着し、1日の総歩数と「ピーク30分歩行ケイデンス(1日の中で最も強度の高い30分間の平均歩数/分)」を算出した。

主要評価項目は重大心血管イベント(MACE:心血管死、心不全、心筋梗塞、脳卒中)であり、特に脳卒中発症については虚血性・出血性を含む全てを対象とした。平均7.8年間追跡し、年齢・性別・生活習慣・服薬・既往歴など多くの交絡因子を統計的に調整した。



次のようになった。

・追跡期間中に525件の脳卒中が発生した(虚血性74%、出血性14%)。1日2344歩を基準とした場合、モデル上の平均傾向として、1000歩増加ごとに脳卒中リスクは約24.5%低下した。

・脳卒中に関しては、他の心血管イベントと異なり、歩数が多くなるにつれて効果が頭打ちになる「飽和現象」がほぼ見られず、低歩数から高歩数までほぼ一定の傾きでリスクが減少した。例えば6500歩/日で約15%低下、1万歩/日付近では約30%低下が推定された。すなわち「歩けば歩くほど脳卒中リスクは下がる」という明確な傾向が確認された。


高血圧者においては、脳卒中リスクは比較的少ない歩数(3000歩程度)からすでに低下し始め、歩数が増えるほど着実に低下する。特に脳卒中では、1万歩/日までの範囲でリスク低下が直線的に続き、速歩などの高強度歩行はさらに有益な可能性がある。本研究は、「まずは日常に歩数を取り入れ、可能なら一歩でも多く歩くこと」が脳卒中予防において極めて重要であることを示すものである、


というおはなし。

歩数と脳卒中リスク



感想:


『歩数にたいしリスク低下が飽和しないとは言っても体力がさきに尽きる。グラフをみると18000歩まであるけどそれって信用できるの?』



以下、医師国家試験正答率98%のAIの回答コピペ↓


はい、その点はとても重要な視点です。
論文のグラフに出てくる「18000歩付近」までのリスク低下は、見た目上は線が伸びているだけで、全域が同じ信頼度で裏付けられているわけではありません


1. データの実際の分布

  • UK Biobankの高血圧者36,192人の中で、毎日18000歩近く歩く人はごく少数です。
  • サンプル数が少ない領域では、統計モデルが補間(外挿に近い推定)をして曲線を描いています。
  • そのため、18000歩付近の数字は信頼区間が広く、不確実性が高いです。

2. モデルの特性

  • この研究ではスプライン曲線(非線形回帰)を使っており、データが少ない端の方では推定が不安定になりやすいです。
  • 特に「1万歩以上」の部分は、推定よりも実際のばらつきや偶然の影響が大きくなります。
  • 著者も論文内で「高ケイデンスや高歩数の参加者は少なく、不確実性がある」と記載しています:contentReference[oaicite:0]{index=0}。

3. 実務的な解釈

  • 「歩けば歩くほど脳卒中リスクが下がる」傾向は6000〜10000歩程度まではかなり確か
  • 1万歩を超えても追加の利益がある可能性はあるが、統計的裏付けは弱くなる
  • 18000歩は体力的にも日常生活的にも特殊ケースであり、一般的な推奨根拠として使うには弱い。

4. ブログ向けに添える一文例

グラフ上は18000歩までリスク低下が続くように見えるが、この領域は実際に歩いている参加者が少なく、推定の不確実性が大きい。現実的な予防効果の確実性が高いのは6000〜10000歩程度までである。



 

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