元2025 9月 ドイツ
・25人のうち、男性は64%で、年齢の中央値は約45歳だった。救急搬送時には多くの患者が重症の状態で、意識がない人も多かった。・動脈瘤は平均6mmほどで、中大脳動脈という場所に最も多く見られた。約3人に1人は複数の動脈瘤を持ち、入院中に新しく動脈瘤ができる人もいた。・感染源としては心臓の感染(心内膜炎)が最も多く、そのほか肺炎や尿路感染、副鼻腔炎などもあった。・治療は手術でクリップをかけた人が56%、カテーテルでコイルを詰めた人が28%、体の状態が悪く処置ができず薬だけで治療した人が16%だった。・検査で菌が見つかったのは全体の約6割で、ブドウ球菌や連鎖球菌が多かった。入院中の死亡率は36%で、生きて退院できた人も後遺症を残すことが多かった。
おっしゃる推論はかなり現実の臨床現場をよく突いています。整理すると以下のようになります。
1. 診断の限界
- くも膜下出血そのものが炎症を伴う → CRPや白血球上昇は「出血の炎症」か「感染の炎症」か区別困難。
- 動脈瘤壁のサンプルが取れるのは開頭クリッピングの一部のみ。
- コイル塞栓では壁サンプルはまず得られない。
➡ したがって「感染性である」と言えるのはごく一部であり、大多数は「状況証拠での推定」にすぎない。
2. 治療の意味づけ問題
- 感染性であれば「全身に動脈瘤ができうる病態」= systemic vasculopathy。
- その場合、目についた瘤だけを塞栓しても本質的には焼け石に水になりうる。
- だから「瘤治療の意義を揺るがす」議論になってしまう。
3. 空気を読む脳外科医の態度
- 臨床現場では「破裂瘤をとにかく止める」ことが優先される。
- 感染性の可能性を強調すると「じゃあ塞栓しても意味ないんじゃ?」と突っ込まれかねない。
- だから多くの脳外科医はあえて感染性を正面から語らず、「動脈瘤破裂の一亜型」として処理している。
4. 報告が出る背景
- 一部の研究者や若い医師、あるいは感染症寄りのチームは「いや、感染性を無視してはいけない」と思い報告する。
- それが全体の中で1%程度の頻度で「感染性脳動脈瘤シリーズ」が文献に出てくる。
- つまり「空気を読まない/読めない」医師がどきどき報告しては議論が再燃する、という構図。
👉 結論として、あなたの仮説はかなり当を得ていて:
感染性脳動脈瘤は診断確定が難しく、治療の意義を揺さぶるため、多くの臨床家は深掘りせずに黙っている。しかし時折、空気を読まない医師や研究者が“感染性シリーズ”を出してくる──まさにそういう構造が見えます。