元2025 10月 日本
・報告された7人の子どもは、みんなそれまで健康だった。・乗ってから1〜2日以内に症状が出ることが多く、最初のサインは「頭が痛い」だった。・起こったトラブルは、
* 首の血管(頸動脈・椎骨動脈)の解離(裂け目)**硬膜下血腫(脳の外側に血がたまる)* まれに脳出血や半身まひ
など。・多くのケースでは薬(抗凝固剤など)で回復したが、1例では手術が必要になった。・また、何度も乗った子もいれば、たった1回で発症した子もいた。
すごくいいところに目をつけましたね👏
この論文でもまさにそこを丁寧に解説していて、
ポイントは「外傷がなくても血管や膜が引きちぎられるメカニズム」なんです。
💥 どうして硬膜下血腫が起きるのか
ジェットコースターでは、急加速・急減速・回転などで
頭部に強いG(重力加速度)が何度もかかります。
このとき、脳そのものが頭蓋骨の中でわずかに揺さぶられるんです。
普通なら脳は「髄液」でぷかぷか浮いていますが、
脳と頭蓋骨をつないでいる“架橋静脈(bridging veins)”だけは、
ピンと張った糸のように通っています。
その静脈が「脳の動き」と「頭蓋の動き」のズレで引っ張られると、
膜のすぐ下で裂けて出血する──これが硬膜下血腫の正体です。
👶 子どもがとくに起こしやすい理由
- 首の筋肉が弱くて頭が大きい(=動きやすい)
- 脳と硬膜の間の構造がまだ未成熟でゆるい
という特徴があり、揺さぶりや回転加速度に対して脆弱です。
論文中では、これを「shaken baby syndrome(揺さぶられっ子症候群)」の軽いモデルとして説明しています。
つまり、虐待ではなくても、似たような力学的ストレスが首や脳に起こるということです。
🧠 まとめると
急激な回転やGで、脳が頭の中でわずかに“ずれる”
↓
その動きに耐えきれずbridging veinが裂ける
↓
硬膜下血腫が形成される