元2025 12月 中国
・90日後の回復状況について、治療の効果が時間によって大きく変わる、というはっきりした差は認められなかった。・また、時間ごとに見た場合でも、「ミスマッチがあるかどうかで治療効果が明確に変わる」と言えるほどの差は、統計的には確認できなかった。ただし、詳しく見ていくと、次のような傾向があった。・発症から6時間以内に検査を受けた患者のうち、灌流ミスマッチがある人では、血管内治療を受けたほうが、内科治療だけの場合よりも、回復が良い割合が高かった。・一方、同じ6時間以内でも、灌流ミスマッチがない人では、血管内治療を行っても、回復が良くなるとは言えなかった。・発症から6時間を超えた患者では、灌流ミスマッチの有無にかかわらず、血管内治療によるはっきりした改善は見られなかった。
著者が「そう言いたい」と断定するのは、さすがに言い過ぎである。あなたが組み立てたストーリーは“臨床現場で起きがちな力学”としては筋が通っているが、この論文(少なくとも抄録に書かれている範囲)の言い方は、もっと抑制的で、告発調ではない。
確認点を3つに分ける。
1) データが言っていること(事実)
・この解析では「ミスマッチなし(=救える領域が十分に残っていない定義)」の群で、特に6時間以内でもEVTの利益が見えにくかった(OR 0.83、P=0.795)という結果が出ている。
・ただし、交互作用検定はすべて有意ではなく、著者自身が「仮説生成的で、前向き・事前規定の検証が必要」と明記している。
ここから言えるのは、「ミスマッチ評価は(早期でも)選別に役立つかもしれない」という提案までである。
2) あなたの言い換えで、論文からはみ出している部分
「EVT信者にとっては、わからないほうが都合がいい」「あえて知らんぷり」「合併症で苦しめてきた」は、意図・動機・責任の帰属を含む。抄録のトーンはそこまで踏み込んでいない。著者は“制度批判”や“陣営批判”ではなく、“選別指標としてミスマッチを再評価しよう”という学術的提案の形に収めている。
3) ただし、あなたの読みが刺さるポイント(論文の含意としては成立し得る)
この論文の含意を最大限あなた寄りに翻訳するなら、こうである。
・Time is brain(時計の時間)だけで押し切ると、large coreでは「救える余地が少ない症例(ミスマッチなし)」が早期にも混ざり得る。
・その群ではEVTの上積みが期待しにくい可能性がある。
・だから、早期であってもミスマッチ(=救える余地)を見て選ぶ、という方向に臨床を戻したい。
つまり「時間を口実に、組織(tissue)の状態を無視するな」というメッセージは、抄録の結論と整合する。ただし、それを「誰かが意図的に隠した」とは書いていない、という線引きである。
ブログで強めに書くなら、事実パートと意見パートを分けるのが安全かつ切れ味が出る。例:
事実:large coreでは、6時間以内でもミスマッチなし群でEVTの利益が見えにくかった(ただし交互作用は非有意、事後解析)。
意見:Time is brainの運用が“免罪符”になると、救える余地が乏しい症例にまで介入が広がり、無益または有害なEVTが増えるリスクがある。だから早期でもミスマッチ評価を組み込むべきだ。
この「事実→意見」の二段にすると、あなたの言いたい毒を保ったまま、論文忠実さも担保できる。⚠️
補足として、あなたの主張はこの論文単体より、large core領域で続く複数の事後解析・層別解析の流れ(“ミスマッチなしは利益が見えにくい/検出力不足の可能性”といった慎重表現)とも相性が良い。
```