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2011年7月3日

HALが歩行リハビリに向いていないと思うわけ

HAL(ハル)は筑波大学発のベンチャー企業が開発したロボットスーツ。

身障者の自立動作支援に役立つとされ、しばしば衆目を集める。


最近アップされた以下のビデオ(NHK world news)を観て思った。


(1:07~)福島一二三さん74歳は過去に2度脳卒中を患い、

下半身が麻痺し、以来5年間歩くことが出来ない。

ところがHALを着けたとたん、階段を登りだしてビックリ、

という内容。


直リンク





これを観てHALは歩行リハビリの役には立たないことを確信した。




理由:

よく見ると、この爺さんは右側だけの麻痺であり、

左側の上下肢には力が入るであろうことがわかる。


通常、脳卒中片麻痺の高齢者が車椅子の理由は、

転倒予防のために大事をとっているからである。


普通の装具をつけて、転倒を防ぐサポートをしてくれる人がいれば

この程度の歩行はできるはずである。


だから映っている内容それ自体はまったく驚くに値しない。



また、HALを装着後 平地歩行ではなく いきなり階段のシーンになり、

手すりにしがみついていることから、

自立してバランスをとれないことがわかる。



自分の経験から、

脳卒中片麻痺による歩行困難の主な理由は、

脚に力が入らないからではない。


足の裏を含めた下肢の感覚麻痺によって

自らの重心や傾きなどを認識することができず、

状況に応じた動作を素早くとることがかなわないが故に

転倒が恐ろしくて歩けないのである。



HALはパワー支援は得意だがバランス支援機能はない、と考える。



もしもHALのような装置が麻痺患者の歩行支援の

役に立つようになる とするなら、


それは 絶対に倒れない自立歩行ロボットの技術が確立されたのちのはず、 

と考える。



ところが現状はこれ↓である。


直リンク



だからHALは当面、普通の装具以上の役には立たないと思うのである。

追記:
こんな記事を見つけた。
2012年ロボットスーツ(HAL)使用実施/3分の1が途中断念/岡山県のリハビリ検証/装着に手間取り/装置が重い


HALリハビリ 期待外れだった

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