元2020 6月 中国
起床時脳卒中(WUS:Wake-up stroke)は睡眠から覚めたときに気づく脳卒中を指す。正確な発症時刻が不明なため血栓溶解療法の対象からは外される。
これまでの報告からWUSは全脳梗塞患者の8-39%を占めるとされている。
非WUSとくらべたときのWUSの特徴は、報告により少なからず異なるので くわしくしらべてみたそうな。
重慶医科大学病院での2017年の脳梗塞患者について、
90日時点での回復度をWUSおよび非WUS患者で比較した。
次のようになった。
・対象患者は473人で、そのうち27.9%がWUSだった。・WUSの40人はmRS3以上の回復不良だった。・WUSと非WUS患者の90日後の重症度、回復度は同程度で、WUS患者は脳卒中の既往歴とアルブミン値が高い傾向があった。・WUS患者では回復良好群と不良群間で入院時重症度と脳卒中既往歴に有意な差がみられた。
起床時脳卒中は脳梗塞患者の27.9%を占めていた。起床時脳卒中でない患者とくらべて重症度や回復度の点でおおきな違いはなかった、
というおはなし。
感想:
ようするに発症時刻がわかる群であっても、血栓溶解治療の適応になる割合がごくわずかなので、全体としてみると治療効果による有意差が観測されていないってこと。
だからFASTキャンペーンは病院の集客には良いけれど、社会全体への貢献効果はない。