元2020 9月 日本
一過性脳虚血発作(TIA)は症状の自覚がなく発症することがある。
そこで、TIA患者のうち症状自覚がなく、居合わせた人が気づき病院へ連れて来られた患者の特徴をくわしくしらべてみたそうな。
57の病院が参加する PROMISE-TIA研究の1414人の患者データを使用した。
これらのうち、
局所神経症状の持続が24時間未満で、かつ画像診断上で脳ダメージが確認されず、血管系以外に原因が考えられないケースをTIAとした。
TIA発症時に症状自覚のあった者となかった者とで比べたところ、
次のことがわかった。
・896人がTIA患者(男性559人、年齢中央値70)とされ、その6.6%は発症時にTIA症状を自覚しなかった。・症状を自覚しなかった患者は高齢で女性がおおく、脳卒中や心房細動の既往歴がある可能性が高かったが、脂質異常症はすくなかった。・さらに、彼らは病院到着が早かった。・脳梗塞の発症リスクを示すABCD2スコアは症状自覚のない患者で高かった。・症状自覚がないことは、関連因子を調整すると、かならずしも1年内脳梗塞の有意な予測因子というわけでもなかった。
症状自覚のないTIA患者は、のちの脳梗塞リスクが高い可能性がある、
というおはなし。
感想:
TIAは脳梗塞と健常とのあいだのグレーな状態を指す「考え方」。
深刻でないのに不安がる患者に診断をつけてさっさと家に帰らせるための方便だったはず。
しかしMRIのおかげでいい加減なことが言えなくなってしまった。