元2020 10月 トルコ
複合性局所疼痛症候群(CRPS)は脳卒中患者12-28%の上肢にみられ、交感神経機能障害が原因と考えられている。
CRPSの治療には交代浴(温浴と冷浴)が用いられることがあるがエビデンスは限られている。
そこで、脳卒中後のCRPSへの交代浴の効果を交感神経活動の点からくわしくしらべてみたそうな。
脳卒中患者のうち、CRPSありの20名とCRPSのない20名の麻痺手について、
42℃の温浴を4分間、10℃の冷浴を1分間を、計4回(20分間)おこなった。
次のようになった。
・脳卒中からの期間、病因、ブルンストロームステージに両群で差はなかった。・肘の痙縮度はCRPS群で有意に高かった。・交代浴後、交感神経皮膚反応(SSR:sympathetic skin response)は両群ともに有意に減少した。・また、CRPS群の健常側のSSR強度も減少した。非CRPS群の健常側に変化はなかった。・両群ともに交代浴後のSSR強度と遅延時間の変化率に有意な違いは認められなかった。
交代浴は麻痺側の交感神経活動をあきらかに減少させた。さらにCRPS患者の健常側の交感神経活動も抑える効果があった、
というおはなし。
感想:
肩が痛くなって手が赤くむくむ「肩手症候群」もCRPSと考えられている。
