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2021年2月12日

肥満パラドックスは本当か?

2021  2月  アメリカ


肥満は脳梗塞のリスク因子であることがわかっている。しかしボディマス指数(BMI)の増加と脳梗塞生存率との関連性についてはよくわかっていない。

多くの研究でBMIの増加が脳卒中に対し保護効果を示しているが、他の研究ではいわゆる「肥満パラドックス」は否定されている。

そこで、大規模データセットを用いて、初回脳梗塞患者のBMIと1年後の総死亡率との関係をくわしくしらべてみたそうな。



ペンシルベニアの住民を対象としたGNSISデータベースの2003-2019年の記録を解析したところ、



次のことがわかった。

・初回脳梗塞の患者6703人のうち、標準体重にくらべ、過体重、肥満の1年死亡リスクはそれぞれ 0.61倍、0.56倍だった。

・1年死亡リスクが有意に上昇する予測因子として、発症時の年齢、がんの既往、心房細動や粗動、糖尿病、心筋梗塞、心不全、が挙げられた。


今回の大規模データ解析では、過体重、肥満の脳梗塞患者の1年死亡率はあきらかに減少しており「肥満パラドックス」を支持する結果となった、


というおはなし。
脳梗塞の肥満パラドックス



感想:

メカニズムとして、低酸素プリコンディショニング効果が考えられるという。

つまりDEBUにありがちな睡眠時無呼吸症などで酸欠状態に慣れていると、脳虚血になったときの耐性が高いらしい。