元2021 2月 ドイツ
近年、「認知予備能」の考え方が 脳卒中転帰の重要な因子であると言われている。
これを検証するために、認知予備能として教育歴、脳自体の予備能としての年齢、および病変サイズを変数として脳卒中転帰との関連をくわしくしらべてみたそうな。
慢性期の脳卒中患者104人について、認知機能(MoCA)および神経症状(NIHSS)、自立度(mRS)を評価した。
病変サイズと教育歴年数および年齢との関連を解析したところ、
次のことがわかった。
・教育歴年数、年齢、病変サイズの有意な三者相互関係が明らかになり、認知転帰の個人差の46%を説明できた。・大きな病変は高学歴の若年患者では認知障害につながらなかったが、低学歴の若年患者では認知障害につながった。・逆に、小さな病変であっても、低学歴の高齢者では認知転帰が不良であったが、高学歴の高齢者ではそうならなかった。・急性期および慢性期のNIHSSとmRSの記録についても、これら三者間の同様の相互関係が観察された。
脳卒中による脳のダメージの影響を、教育歴年数と年齢が緩和する効果が認められた。このような認知予備能は脳卒中にたいする保護効果をも示唆している、
というおはなし。
感想:
移民が脳卒中の回復イイ理由もこのあたりにあるのかな。社会に適応するために日々是学習な生活が長く続いているから。