元2021 6月 フィンランド
脳卒中後の言語障害にたいする現在の治療法のおおくは 結果におおきなばらつきがあり、長期的効果も限定的である。
声楽を聴くことで脳卒中患者の言語回復が促されるという報告がある。
しかしその神経可塑的メカニズムはよくわかっていないので、くわしくしらべてみたそうな。
脳卒中の急性期患者38人を対象に、脳卒中の種類や左右、病変サイズがマッチする次の3グループに分けた。
声楽、器楽曲、オーディオブック、のそれぞれの群で、自分の好きなもの(曲、ブック)をmp3プレーヤにて1日1時間、2ヶ月間 聴いてもらった。
介入前と3ヶ月後の脳の構造的変化をMRIのトラクトグラフィーで、発語の流暢さに関連のあるとされる3つの白質構造について評価した。
また、機能的変化を fMRIで観察した。
次のようになった。
・声楽群(VMG)は、オーディオブック群(AMG)にくらべて左前頭斜走路(frontal aslant tract:FAT)の白質繊維構造がより強化されたことがわかった。・さらに、この構造強化は言語能力の向上と相関していた。・音響刺激ごとの脳機能評価の結果、声楽群はオーディオブック群にくらべて左FAT前方末端部での活動が増加していた。・この活動増加は左FATの構造強化と相関していた。
脳卒中後の声楽鑑賞による言語回復効果は、言語ネットワーク内神経の可塑的変化にもとずくものと考えられた、
というおはなし。
感想:
たんなる気のせいではなかったってこと。
好きな時間に聴くだけのリハビリだから、病院にいかなくても寝ながらでもできる。