元2021 7月 中国
・28歳の男性Zさんは、17歳のときに異常な頭痛を経験した。・そのころから教師が自分を常に監視しているという被害妄想を抱くようになった。・やがて登校拒否に至ったので精神科につれていったところ、統合失調症と診断され投薬治療をうけた。・しかし1年経っても頭痛も被害妄想も改善せず、隣人や他人からも監視されていると思うようになった。・その後、別の精神科で双極性障害と診断され投薬治療がはじまった。・いったんは精神症状が改善したものの、19歳のとき薬をやめてしまった。・就職した後も頭痛や被害妄想の再発を繰り返し、仕事や人間関係の維持がむつかしくなっていた。・そして、25歳のときに突然の激しい頭痛と吐き気を感じて救急外来を受診した。・意識はクリアで、バイタルサインは安定していた。・CT血管造影で前交通動脈に大きさ 2mm x 5mmの瘤が出血しているのをみつけた。・くも膜下出血と診断され、コイルでの塞栓術が行われた。・手術後、統合失調症や双極性障害の症状は消え、投薬なしでそれらの症状は3年間再発していない。・頭痛もなく対人関係も良好である。
前交通動脈の瘤は精神異常をもたらす可能性がある、
というおはなし。
感想:
たった5ミリの瘤が精神に影響するほどに脳が敏感なら、コイルやクリップを置きっぱなしにしてくる治療は、出血予防効果が怪しいばかりか精神への悪影響も心配しなければならないのかも。
