元2021 10月 中国
大脳半球梗塞(Large hemispheric infarction)は脳梗塞のなかでも死亡率、障害率が高く、有効な治療法がない。
50年前に抗ウイルス薬としてつくられたアマンタジンは、パーキンソン病薬としての有効性が示され、外傷性脳損傷後の遷延性意識障害にも使用されている。
神経回復効果を示す報告もあることから、急性脳梗塞への応用も期待されているが研究がほとんどないのでくわしくしらべてみたそうな。
大脳半球梗塞で保存的治療を受けた患者記録のうち、アマンタジン投与群と通常治療のみの群とに分けて、院内死亡率、3ヶ月後の死亡率を比較した。
次のようになった。
・アマンタジン群31人と通常治療群127人の記録が見つかった。・アマンタジン群では病院到着までの時間が短く(2時間 vs. 10時間)、NIHSSスコアが高く(22 vs.18)、優勢半球の病変率が高かった(68 vs. 46%)。・傾向スコアマッチング後の比較では、アマンタジン群は院内死亡率(7.4 vs. 31.1%)および3ヶ月後死亡率(25.9 vs. 55.6%)いずれも低く、有意な差だった。