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2022年11月21日

くもの手術が成功したのにひどい脳梗塞になる割合

2022  10月  オランダ


遅発性脳虚血はくも膜下出血患者の30%に発生するという。

症状が自然に回復する者もいれば死に至る者もいる。

そこで、動脈瘤の治療後に良好な臨床状態にあったくも膜下出血患者が遅発性脳虚血でひどい状態になる頻度をくわしくしらべてみたそうな。



2010-2021年のくも膜下出血のうち、

動脈瘤治療後24時間以内にGCSが11以上の良好経過をたどり、

その後脳梗塞をともなう48時間以上の昏睡にいたる遅発性脳虚血と診断された患者を抽出した。



次のことがわかった。

・くも膜下出血患者1211人のうち、617人が動脈瘤治療後の臨床状態が良好であり、

・そのうちの16人3%(9割女性)が今回の対象となった。

・13人は前方循環系に動脈瘤のある患者だった。

・13人は血圧が不安定で、12人は降圧薬による血圧低下を示していた。

・13人には両側に虚血がみられた。


動脈瘤治療後に臨床状態が良好だった患者が遅発性脳虚血で重い昏睡におちいる割合は3%にすぎなかった、


というおはなし。
くも膜下出血で昏睡の図

感想:

遅発性脳虚血や血管攣縮という偶発的な状態は、

「客観的根拠のない動脈瘤手術」をしくじったときの責任をかぶってくれるとても都合の良い考え方である。

じっさいコイルよりもクリップでおおいし、もっぱら重症な患者で頻発する。


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くも膜下出血後のGCSの図

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