元2023 1月 中国
くも膜下出血患者へのクリッピング術またはコイリング術での「遅発性脳虚血」の発生率の違いはよくわかっていない。
そこで、どちらの手術の適応にもなる患者について、遅発性脳虚血の起きやすさをくらべてみたそうな。
2019-2021年、5つの医療機関に入院した動脈瘤性くも膜下出血の患者記録について、
病歴、重症度、瘤の特徴、炎症因子などをマッチさせたクリッピング群とコイリング群での遅発性脳虚血の発生頻度を比較した。
次のようになった。
・412人の患者が対象になり、そのうち115人27.9%に遅発性脳虚血が確認された。・条件のマッチするクリッピング群133人とコイリング群133人が用意できた。・遅発性脳虚血の発生率は、31.9% vs. 20%でコイリング群のほうがクリッピング群よりも有意に低かった。
動脈瘤破裂によるくも膜下出血では、血管内コイリング術よりも外科的クリッピング術のほうが遅発性脳虚血の発生率があきらかに高かった、
というおはなし。
感想:
遅発性脳虚血は、おおくのばあい「脳への手術による侵襲」に起因していたってこと。
さらに不可思議なことに、このような手術が死亡率の改善や再出血率の低減をもたらすといった証拠がほとんど存在していない。
お医者さんが余計なことをしなければ、相当数の患者の命が助かっているはず。