元2023 6月 日本
超高齢社会を迎えた日本では、高齢者にたいして機械的血栓除去術を施行する機会が増えている。
しかし、高齢者にたいする血栓除去術のあきらかなエビデンスはまだないので、くわしくしらべてみたそうな。
新潟県脳梗塞血管内治療データベースにある、2021年75歳以上のすべての記録を対象とした。
患者を75-84歳、85歳以上の2群にわけて比較した。
次のことがわかった。
・血栓除去術まえの神経症状NIHSSスコアやCT評価スコアに両群で差はなかったが、・機能障害度のmRSスコアが0-2の割合は85歳以上の群で有意に低かった。・発症から治療までの時間や有効再開通率に差はなかったが、合併症は85歳以上の群におおい傾向があった。・退院時に良好な転帰(mRS0-3)を示した患者の割合は、85歳以上の群で有意に低かった。・脳卒中前にmRSスコアが3だった患者の90.9%が血栓除去術後に悪化した。
高齢患者では手技の難易度が高く、合併症頻度も高い。良好な転帰を示す高齢患者はごく少数である。mRSスコアが3以上の85歳以上の患者では血栓除去術は避けるべきである、
というおはなし。
感想:
後期高齢者の病気は治しようがないからこそ「後期」と呼ばれているとおもう。