元2023 3月 ドイツ
脳梗塞への機械的血栓除去術のランダム化比較試験では、80歳以上の割合はきわめて低くデータがほとんどないので、全国規模の調査からくわしくしらべてみたそうな。
2010-2018年のドイツ医療データベースの機械的血栓除去術を受けた脳梗塞患者18506人の記録を対象に解析した。
次のことがわかった。
・年齢中央値は76、36.3%が80歳以上だった。・80歳以上の高齢患者は80歳未満と比較して、1年後の死亡率が55.4% vs 28.5%と高く、無-軽障害者の割合が17.4% vs 41.0%で少なかった。・高齢患者は1年後、33.8% vs 62.8%で自宅で暮らしている割合が少なかった。・高齢患者の1年後の転帰悪化の関連因子は、慢性下肢虚血、認知症、48時間以上の人工呼吸器使用、だった。
脳梗塞の機械的血栓除去術の転帰は年齢と強く関連しており、80歳以上の患者では1年後半数が死亡し、機能的に自立できたのは5分の1以下だった、
というおはなし。
感想:
高齢者は、ある日突然亡くなってもだれも不思議に思わないし、
たまたま手術中に死んでもだれにも責任追及されない。
だから実験的医療や手術の練習台としてはとても適しているので、効果がわずかであっても積極的に治療をこころみる。
コロワク注射で学んだ。